コラム

プロコーチは、コーチ業だけで実際いくら稼ぐことができるのか?

コーチ業では稼げないのではないか、コーチ業1本で生計は成り立たないと思われているコーチが多くおられます。また生計を成り立たせるためには、プライベートな時間を取れないほどの数をこなさなくてはならないと考えておられる方も多いようです。

目次

コーチ業だけで実際いくら稼げるのか

結論から言うと、あなたの望む分だけ稼ぐことができます。

私の場合、コーチングにもっとも時間を使っていた頃は、コーチングのみでの年収はおよそ1,800万円くらいでした。コーチングを学び始めて1年半後くらいの実績です。

クライアントは主に法人さま、および個人事業者さまのコーチングです。法人クライアントの場合は、セッション用の会議室や研修室に、入れ替わり社員さんに出向いていただけるため、時間の面で極めて効率的で、1日に4~5人のセッションを行う場合もありました。

地方と海外にも経営者のクライアントがいましたので、その方々とはSkypeでのセッションですが、基本的にはすべて「対面での1to1セッション」です。

継続レギュラーとして20〜25名くらいの経営者、幹部を含めたビジネスパーソンの1to1コーチングと、不定期で階層別のグループコーチングをさせていただいており、月のコーチング実働日数は15日くらいでした。

コーチング年収がおよそ1,800万円当時の私の働き方は、このような感じでした。

また、私の知り合いのプロコーチYさんの例では、個人向けのパーソナルコーチングだけを継続的に30人ほどされていて、その年収はおよそ1,000万円と聞いています。

基本的に、月1回1時間のSkypeセッションをご自宅でされていて、日々時間的にゆとりのある生活をされています。ご自身がもっとも歓びを感じるパーソナルコーチングと、趣味の時間に満たされた生活を楽しんでいらっしゃいます。

いくら稼げるかではなく、いくら稼ぐのか

私は、その当時「天職」と思いながら法人コーチングをし、その後、コーチ対象のメンタリングやコーチ育成など、法人コーチング以外のさらにやりたいものを見つけていきました。このココログミサイトの活動もそのひとつです。

そしてそれらにも時間を使いたい、そして家族との時間をさらに増やしたいと考え、法人コーチングの時間の比率を減らし(その分年収も減りました)今に至っています。

一方、Yコーチはもともと研修講師と法人コーチング、そして一部個人向けのパーソナルコーチングもされていましたが、ご自身がパーソナルコーチングをされているときが一番心が歓ぶと感じ始め、徐々に個人対象のパーソナルコーチングのみに切り替えていかれて今に至っています。

どんなビジネスを始めるにも、まず「どのような生活」そして「どのような仕事の仕方をして」、「いくら稼ぐのか」を具体的に自分で決めることが大切です。
つまり、いくら稼げるかではなく、いくら稼ぐのかです。

目指すゴールに向けての必要なアクションを明確

年、月、週、そして1日の時間単位で出来るかぎり具体的に、今思う自分の手に入れたい理想のライフスタイルをイメージするのではなく、決めるのです。できる限り具体的、定量的にワクワクしながら決めるのです。

それを決めると自ずと、必要なセッションフィーやどういう人のお役に立ちたいか、そのために今の自分に何が足りなくて、何が余分なのか、誰と何人会うのか、そしてその人たちとどこで出会えるのかなど、いろいろなものが具体的に見えてきます。

今の時点で思う、なりたい自分、目指すゴールに向けての必要なアクションとそのサイズ、ボリュームを明確にしてみてください。もちろん、仲間のコーチにコーチングをしてもらうのも良いでしょう。

すると、なりたい姿を漠然とイメージしていたときより、アクションを定量的に明確にした方が、ゴールを近く感じる人が多いはずです。それもそのはずです。人は本来、自分の達成できる目標しか立てないからです。ここに出てきたアクションは、すべて「今のあなたにできること」なのです。

なかにはゴールをさらに遠くに感じる人がいるかもしれません。それでも構いません。その人は、引き続きなりたい姿を漠然と思い続けることはやめる、もしくは今までの行動を見直すはずです。引き続きとどまることを善しとできないはずです。

これも大きな前進です。

アクションを起こすと自分の立ち位置が変わる

まずは顕在化した必要なアクションを起こしてください。

当然、アクションを起こすと、アクションを起こす前の思案しているだけのときより多くのさまざまな情報が入ってきます。うまくいくこともあれば、そうでないこともたくさんあります。そうすることで、「周り」そして「自分」というものがより見えてきます。

つまり、自分の立ち位置が変わるのです。すると見える景色も変わってきます。1つしかないと思っていたものが、2つ、3つと見えてきます。

その変化はすでに前進です。

そこでまた、「じゃあどうする?」「このまま進む?」「どうしたい?」を自らに問いかけるのです。

そのために大事なことは、『なりたい姿を絶対不変のもの』として強く握りしめ過ぎないことです。「こうなりたい」が「こうあるべき」になってしまうと、その「あるべき」が自分を縛りかねません。

本当になりたい姿、人生の目的への道のりは一直線ではないのです。

継続したアクションがあなたの本当になりたい姿を明確にする

人のなりたい姿には、
「“できること”に制限をかけた思考」や、
「人からどう見られたいという思考」や、

「周りからの期待に応えようとする思考」も混ざっているかもしれません。

人生の目的、使命を持っている自分でありたいという欲から、
「それを自分のやりたいことだと思い込もうとしている」可能性だってあります。

つまり、今のなりたい姿は『自分に制限をかけた』ものであったり『思い込んでいる』ことだったりします。

この靄(もや)のかかった想いでは、人は夢中になり続けられません。しかし、この制限の多くは無意識です。思案ばかりしていたり、なりたい姿を強く握りしめすぎていると気づけません。もしかすると…無意識に本人は気づきたくもないのかもしれません。

ただ多くの場合、なりたい姿への柔軟な想いと、今思うものに向けての継続したアクションがあなたの本当になりたい姿を明確にしていってくれる、これは事実です。

自分のための、自分のなりたい姿ですから、そこには他責の対象も存在しません。言い訳もいりません。“かも知れないなりたい姿”を目指すなかで、自己否定や無力感を感じる必要もありません。諦めるのではなく、修正をしていけば良いのです。アクション、スケジュール、そして目指すもの、そのすべてが修正の対象です。

モノは握りしめると指で隠れて見えません。強く握りしめ続けるとその手は固まって開きにくくもなります。

握りしめるのではなく、大切に手のひらに乗せて、いつでもそれが見えるよう、いつでも違う角度から見れるよう、いつでもそのモノの変化に気づけるように、していてください。

その大切なモノを手のひらに乗せ、都度々々自分に問いかけ、引き続きさらに力強く続けていった方が良いこと、そして修正、改善を加えていった方が良いことを明確にし、そしてまた再びアクションを続けていってください。

“前進するためのアクション”ではなく、“修正点、改善点を見つけるためのアクション”、この視点で続けてください。必ず行きたいところにたどり着きます。本当になりたい自分と必ず出会えます。

その姿は、今思っている「なりたい姿」とは違っているかもしれませんね。

いつもあなたが、クライアントに寄り添い、クライアントの無限の可能性を信じきっているように、コーチのあなたが自分自身の可能性を信じきり、恐れず自身の変容を楽しんでいってください。

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